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思想を見せよう

たとえば、デザイナー求人に応募してくださった方々のポートフォリオを拝見していて、その方の思想が見えないと、私は少し残念な気持ちになります。もちろん「思想が見えない」というだけの理由で即お断りすることは決してありませんが、せっかくの大きな見せ場を何もせずにスルーしてしまったような印象を受けてしまいます。

私は、その人の思想、人間性、価値観、嗜好性…ひっくるめて「世界がこうなったら最高だよね!」を知りたいのです。

技術や経験が足りなくても、磨くことはできます。でも、数十年かけて培われた思想は、そうそう変えられないものです。
同じ「世界がこうなったら最高!」を持ってる人どうしなら、それぞれの今の技術や経験がどうであれ、きっと一緒に楽しく働いて、最高のものを作っていけます。その過程で経験を積み、技術を磨いていくこともできるでしょう。
でも逆に、技術や経験があっても「最高!」と思うものが違うなら、一緒に最高のものを作るのは難しいでしょう。だって、最高だと思うものが違うのだから。

私がいまの職場に応募したときのポートフォリオには、業務経験や制作物と同じくらい、自分の好きで得意なことや、その背景にある価値観について書きました。例を挙げると「情報を整理分類して分かりやすくすること」「分業と比較優位の考え方」「少ない公理で、多くの現象を説明できる体系」などです。今、私が毎日楽しく働けている理由のひとつに、これらを最初に伝えたことがあると思っています。

もう ねぇねぇ 何見て
何聞いて幸せ?
話してみて すべてね
(NiziU『Make you happy』より)

あなたはどんなデザイナー?
なぜ、デザインを仕事にしているの?
どういうものが好き? どういうものが嫌い?
何してるときに一番アガる? 何してるときに萎える?
この世界がどうなってほしい? どこをどう変えたい?
どうなったら最高だと思う?

それを、ぜひ伝えてほしいのです。

著者
drivesketch